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「この季節はうきうきしますね」
「うきうきとかいう言葉がしぬほど似合わない事を自覚したほうがいいよ六道くん」
「クフフ、僕が死ぬとでも思っているんですか」そういう話じゃないよ。
こんなに空が青いのにわたしの心は六道くんに会って複雑な色が混ざり始めた。
なんでわたしは六道くんにつきまとわれているんだろう。
もう学校は春休みだというのにわたしが出かけるたびに六道くんにつかまっている気がする。
今日はうちの門の上にシーサーのように座る彼とばっちり目が合ってしまった。
犬ちゃんであるはずのポジションに彼の姿があるのはすごく気持ちがわるい。
「えと、わたしこれから待ち合わせしてるんだけどな」
「ええ知っています。だから駅までお送りするんですよ」
ひらりと舞い降りた六道くんは、さあ行きましょうか と言ってわたしの横を歩き出す。
正直ありがたくない。というか待ち合わせの事を知っているという事は、
「…ちくさくんが、わざわざ言うわけないよね」
「ええ千種には少々意識を失ってもらっている間に彼の携帯に…って何ですか電話なんかかけて」
「あ、おはよう。もうちょっとで着くけどちくさくん六道くんに何され」
右手に持っていた重みがなくなったと思ったらそれは六道くんの手の中。
無情にも終話ボタンが押されている。
ちくさくん、電話には出てくれたけどちゃんと待ち合わせに来れるだろうか。
ごめんねわたしが六道くんにつかまってしまったばっかりに。
携帯を差し出しながら六道くんは貼りつけたような笑顔を向ける。
「本当にライブを観に行くだけでしょうね」
「うん。ご飯ぐらいは食べるけど…え、六道くんお父さんですか」
「当たり前です僕のが千種の毒牙にかかると思うと」
「いつわたしが六道くんのものになったんだろう。きみの方がよっぽど毒牙持ってそうだよ」
「だから早く僕のものになって下さい」
せめて話が通じればなあ。
「僕は待っています。鳥に魚になってを」
「…ありがとう?」
「どういたしまして」
ざあ、と木々が揺れる。
待ち合わせ場所に来たちくさくんの頭からガーゼが見えた。
憧る僕は花待ち
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