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懺悔の季節は終わったのだ!
ばん、と勢い良く談話室の扉が開いてが戻って来た。
驚いたレヴィは口を付けたコーヒーを盛大に吹くわ、
うるせえとに言った鮫はボスにグラスを投げられるわ(お前の方がうるせえよって事だな、ししっ)
マーモンはうっかり床に落ちそうになったのをに抱きとめられた。
「あ、みんな、ただいま」そう言って4ヶ月ぶりの笑顔を見せる。
「おかえりなさい、。もう春なのよねえ、は・る」
オカマがまた気持ちわりー声を出す。でもまあ、がようやくあの季節から解放されたんだ、
オレも今日は寛大な気持ちでいてやる事にする。王族は包容力っつの、あるもんだろ?
はヴァリアーじゃない。
何年か前の冬、任務先で血だまりにうずくまっていたをボスが拾って来た。
そいつはうわのそらで、時々思い出したように、
父親をころしたのはわたしだ、わたしがころしたのだと虚ろな目で言うのだ。
なんでボスがこんなやつを拾って来たんだと思ったけど(さっさと殺しゃいいのによ)、
結局は幹部のそばで雑用なんかを任されるうち、オレ達に少しずつ心を開いていった。
ただ、毎年冬になるとは塞ぎ込んで雑用を頼まれた以外滅多に部屋から出なくなる。
その顔には笑顔はなく、父親の血で汚された当時のあいつの顔そのままだった。
この前、何重にも内側から鍵をかけられたの部屋のドアをぶち破って入った時に、
ベッドの上で膝を抱えるがひどく驚いた顔をした。
「…べる、」「いつまでたった一人殺しただけの事で何年もうじうじしてんだよ」
はうつむいたまま、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎはじめた。
冬のにおいが、あの光景を嫌でも引き摺り出して来るのだと、
地面に積もる雪に、鮮血がはねる赤と白が、焼きついて離れなくなるのだと、
かじかんだ手に、肉の感触が戻ってくるのだと、
暖房もつけない部屋で、震える唇で言うのだ。
オレはそんな脆い人間に興味なんてないし同情なんてする気はさらさらない。
けど、気付けばを上から覆うように 抱いた。
匂いなんてオレやスクアーロが消してやる。
赤と白もオレの服とかボスのしっぽ見てりゃ隠れて見えないだろ。
かじかんだ手だってオレも、マーモンも握ってやる。
だから、季節になんか負けてんじゃねーよ、バカ。
あいつらだって待ってんだ、オレが 連れ出してやる、だから
「…ベル。ベル。」
目の前でがひらひらと手を振る。なに回想してんだオレ。
「今日、ボスがみんなの任務なくしてくれたの」「は?」
「だから、みんなで何かしよう」「何かってなんだよ」
オレは呆れた。今日の任務は割と楽しみだったんだけど。
「えと、どこかに行ったり…とか」
「僕は構わないよ。今日はタダでに付き合ってあげるよ」
「ワタシも久しぶりにに会えたんだもの、色々したいわ」
「う゛おい、本当に任務はいいのかぁ」
「…俺の権限だ。何か文句あんのか」「ちっ…ねーよ」
「俺も任務より優先してやる!」「元々今日何も入ってねえだろレヴィ」
「何ッ!」「ふふ、みんなありがと」
がこのむさ苦しい連中に入ると一気に明るくなる。
こいつを救ったのはボスだけど、
結果的に救われているのはオレ達の方なのか、暗殺部隊がこのザマだ。
まあ、オレらの姫は上機嫌だ。
あんなに塞ぎ込んでいたくせに鼻歌なんか歌ってやがるを眺めながら上着を羽織った。
今年は一人になんかさせねーよ、バーカ
るらら、るらら
(春かんけいないぼつねた。ベル。→
□)
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